私はビルバオに住むロンドンの留学時代の友人ベロニカの家を訪れていています。
その日のベロニカの第1声は「連れて行きたい所がある!」でした。
「どこ?どんな所?」と、興味津々で聞くと。
返ってきた答えは「着いてから、教える。」でした。
少し不便な所にあり、曇っていてあまり天気も良くないから車で行く事にします。
車窓からの田園風景を楽しみながら、45分ぐらい走り、小さい町に到着!
内陸の小さな村のようでした。
車から降りて、「ここ!」と、言われて指されたところをみると、何かの記念碑があります。
「これは何?ここは何処?」と質問!
とにかく、まず写真を撮るように言われました。
私は言われるがままに写真を撮ります。
その後歩きながら、ベロニカの説明が始まりました。
ここは「ゲルニカ(GERNIKA又はGUERNICA)」
「記念碑はピカソのゲルニカの絵のコピー。」
「スペインの歴史でとても重要な所。」
英語苦手でイギリスだと無口だった彼女が一生懸命一生懸命話してます。
とにかく私に理解してほしかった気持ちが伝わってきます。
ただ、お互いに英語があまり得意でなく理解に限界がありました。
しかも、私はスペインの歴史を知らない。
恥ずかしながら、ピカソのゲルニカの絵も知らなかった。
イギリスに来るまでの私はローマ字、英語アレルギーで西洋史苦手。
できれば勉強したくなく逃げてきた。
私が理解した事は。
"何か原因は理解できないけど、戦争があったらしい。
広島の原爆みたいなのが落とされ、沢山のひとが亡くなった。"
ベロニカの"広島"という言葉がなければ、私には恐ろしい事件だったとは理解できなかった。
私はスペインの内戦も知らなかったのです。
今でも忘れられないのはベロニカのその時の顔!
涙で目がウルウルしていて悲しそうです。
私に理解してもらえないからだ。と、感じました。
今とは違いネットもなく、すぐ調べられなかった。
帰りの車の中は静かです。
スペインで重要な町に連れてきてくれてありがとう。
スペインの大事な歴史、一生懸命教えてくれてありがとう。
今日の事は忘れない。
私も一生懸命言葉を考えて伝えます。
すごく、こころがキレイで育ちが良いな?と、感じてしまう彼女。
やっと、彼女の顔に笑顔がもどりました。
それから数年後。
マドリードでピカソのゲルニカの絵をみました。
日本人のガイドさんが一生懸命説明してくれた時、私はあの日を思い出します。
ベロニカが教えたかったのはこの内容‼️
平和の有難さ!大事さ!も訴えたかったのかな?と、感じました。
あの時に戻りたい。
改めてスペイン人の人柄、心の優しさ気づきます。
スペインの歴史に興味をもつ、きっかけにもなりました。
ベロニカ、私をゲルニカに連れて行ってくれてありがとう❗️

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